2011年10月12日水曜日

八ヶ岳 硫黄岳と横岳

              硫黄岳山頂付近の爆裂火口壁
 
 米の籾すりも終わり農協への出荷をすませて、農作業の方も一区切りついたので、好天気の今日、念願の八ヶ岳・硫黄岳(2760メートル)と横岳(2829メートル)に登ってきました。家を朝5時半に出て、登山口の桜平から登り始めたのが、7時20分でした。

 登山道は、朝日が照りだしたばかりで、少しかすんでいます。

 20分ばかり歩くと、夏沢鉱泉につきます。沢の水を使った水力発電とか、ソーラーパネル、風力発電と、エコ発電に力を入れているようです。

 さらに行くと、オーレン小屋につきます。ここからは、天狗岳への登山道も分岐しており、いよいよ八ヶ岳へ分け入っていると実感できます。

 8時40分、夏沢峠に到着です。テレビの「夏の山の天気」に出てくる夏沢峠がここです。ここが、南八ヶ岳と北八ヶ岳の境といわれています。二つある山小屋はもう閉鎖していました。

 夏沢峠にあった風力発電施設です。ここは、風が強いから、風力発電には適しているのかもしれません。

 夏沢峠から南側の硫黄岳をめざします。少し登っていくと、天狗岳が北側に見えてきます。
  天狗岳の東側に見える稲子岳です。高さはそれほどではありませんが、絶壁に目を見張りました。
  夏沢峠から硫黄岳山頂への登山道は、北西の冷たい風が強く、体感的には下界の冬の木枯らしといった感じでした。登山道もかなりきつく、まさに八ヶ岳を縦走しているという実感がわいてきます。

 硫黄岳の山頂につくと、南八ヶ岳の山々が目に飛び込んできます。右が主峰・赤岳(2899メートル)、左が横岳(2829メートル)です。

 左は赤岳、右は阿弥陀岳(2805メートル)です。さらに、南アルプスの山々も一望でき、360度の展望は見事でした。

 登ってきた道を振り返ると、天狗岳、さらには蓼科山、北横岳が望めます。

 そして、硫黄岳といったら、なんといっても北東側の爆裂火口壁です。切り立った絶壁のそばまでいく登山者もいますが、私は近づけません。活火山の名残のこの爆裂火口壁は、壮大なスケールで見る者を圧倒します。

 硫黄岳の頂上に着いたのが9時半、桜平から2時間10分ほどでした。はじめは、硫黄岳だけに登ってかえるつもりでしたが、あまりにも早く着いたので、横岳まで足を伸ばしてみることにしました。

 横岳への道を下りていくと、硫黄岳山荘が見えてきました。登山者も平日のわりにはかなり多いです。硫黄岳山荘も営業していました。途中であった歩荷の青年は、30キロの荷物を担いで夏沢鉱泉から硫黄岳山荘まで、2時間で着くと言っていました。「疲れないか」という問いに「景色がきれいだから」と笑って答えたさわやかな青年の姿を見て、挨拶してもろくな答えがかえってこない中高年グループが多かった中で、救われた思いがしました。

 硫黄岳山荘をすぎていくと、コマ草の保護のためか、ネットの柵が張り巡らされている場所がありました。残念ながら、一面褐色の枯れた世界で、どんな植物が生えているのかはわかりませんでした。

 横岳の頂上が見えてきました。絶壁の際にある登山道は鎖場で、ここまで来て後には引けないので、最後は這ってのぼりました。それにしても高所恐怖症の気のある私にとっては、すこしきつかったです。
  横岳山頂です。赤岳の頂上が後方に写っています。10時半につきました。

 横岳の山頂からは、富士山が大きく見えました。もう、ここは山梨県にちかいですからね。

 横岳の頂上から硫黄岳を見れば、ただの平らな台地のように見えます。

 横岳の山頂から下りて、硫黄岳に戻ります。振り返れば、一人登山者が登っていきます。絶壁の際を鎖につかまりながら登るのですが、我ながらよくあんなところを登ったものだと、胸をなで下ろしました。後で知ったことですが、ここの鎖場が「蟹の横這い」と呼ばれていて、八ヶ岳の難所の一つとして有名な所らしいのです。
  横岳直下にある大同心、小同心です。奥に見えるのは、阿弥陀岳です。

 大同心は、横岳から見下ろせばたいしたことがありませんが、上の写真のように横から見れば、ものすごい絶壁です。この岩場に挑戦する命知らずもいるということですが、私にはとてもマネできないことです。
 赤岳と横岳を結ぶ稜線の中間あたり(上の写真の鞍部のあたり)に「地蔵尾根」という登山道があるのですが、そこで去る8日に転落死亡事故があったそうです。この山は至る所に危険な場所があるのでまったく気が抜けません。

 硫黄岳山荘近くにはシャクナゲが自生していました。でも強風が吹き付ける場所にあるためか、高さは2,30センチぐらいしかありません。奥の硫黄岳はなだらかな丘のようです。

 硫黄岳に戻って、横岳、赤岳、阿弥陀岳に別れを告げて、下山します。これらの雄大な山々は、いくら見ていても見飽きることがありません。頂上に腰を下ろしてしばらく眺めていましたが、12時すぎ、硫黄岳山頂を後にしました。

 夏沢峠まで下りてくると、硫黄岳の爆裂火口壁がきれいに見えました。朝は、かすんでいてまったく見えなかったのですが。

 桜平の駐車場に着いたのが、1時40分。6時間半ほどの山登りでしたが、天候にもめぐまれ、景色もきれいに見え、今までの山登りの中で最高でした。